2024年度グッドデザイン・ニューホープ賞 入選GOOD DESIGN NEW HOPE AWARD 2024
Honorable Mention
Category
場のデザイン
受賞番号
24NHA020021
Title
水景ノ結─木曽三川輪中地帯における堀田の再考による地域交流拠点─
受賞者
宇野 耀士(神戸大学大学院工学研究科建築学専攻)
作品の概要
木曽三川輪中地帯は古くから度重なる洪水に苦しめられ,人の営みと水が密接に絡んだ地域である.堀田とは元は対水防のためにつくられたものだが,「環境装置」や「交流の場」として機能していた.堀田を再考することによって,輪中での新たな「結」を生み出しこの地域本来の水と共生する地域交流拠点を設計する.
審査委員による評価
水害対策としての土木開発がもたらした課題に対し、人と水を繋ぐランドスケープを計画している。水に抗わず受け入れる輪中の文化を継承した、水や生態系と共生する「弱い」建築である。近代の自然制御が人と自然の距離を遠ざけたことに対し、今後建築が果たす役割はどのような介入なのか、それはさらに制御の課題を生まないか、というジレンマを抱える難しい問いに対し、堀田という人工物と自然の間にあるものを引用するプロセスは、示唆に富んでいる。