2024年度グッドデザイン・ニューホープ賞 入選GOOD DESIGN NEW HOPE AWARD 2024
Honorable Mention
仕組みのデザイン
24NHA040008
海岸線から構造ブロックへ: 牡蠣殻のリサイクルによるアーバンファニチャーのデザイン
エルクシャウ アミラ(九州大学大学院人間環境学府空間システム専攻)
芝 輝斗(九州大学大学院人間環境学府空間システム専攻)
井上 大輔(九州大学大学院人間環境学府空間システム専攻)
牡蠣殻をはじめとする貝殻の多くは廃棄されず、使い道もないまま放置されているが、貴重な資源へと変えることができる。本プロジェクトは、砕いた牡蠣殻を骨材の代わりとしてコンクリートに練り込み、ベンチやアーバンファーニチャー、舗装材として使用しており原料採取による環境への影響を軽減し、牡蠣漁業地域の固有の風景を作る。
地域で集中的に廃棄される廃棄物・蠣殻を資源に変えて、地産のインフラ材料と捉え直し、固有の風景をつくろうという提案。地球規模の課題に対して、足元や地域の資源を活かし、かつ実験やリサーチを通して実現可能性を考える、意欲的な取り組み。風景としてのテクスチャーへのこだわりや、実装後の流通設計など、引き続き検討を進められることを期待したい。材料から流通、意匠まで、様々なスケールから都市・建築デザインを実現されてゆく可能性を感じた。