2025年度グッドデザイン・ニューホープ賞 入選GOOD DESIGN NEW HOPE AWARD 2025
Honorable Mention

場のデザイン
25NHA020010
触れない距離を継ぐ
小林 蒼(早稲田大学大学院創造理工学研究科建築学専攻)
小野 あんり(早稲田大学大学院)
西久保 陽生(早稲田大学大学院)
国産漆の生産量の70%を占める二戸市浄法寺町に、ウルシと町民、職人を継ぐ材の加工場と宿泊施設を計画する。人とウルシノキの距離を遠ざけるかぶれに対し、ウルシ林、季節によって入れる領域の変化する伐採木の乾燥場、乾燥後のウルシノキを使った触覚に着目した宿泊機能を配置し、ウルシノキと人との距離を可視化しながら繋ぐ。
過疎、人口減少に悩まされるウルシの産地で、ウルシ産業を見直す施設を作ることで地域を再興させようという試みが良い。ウルシの生産工程を建築として可視化し、建築もウルシの森を育てるのに役立つような配慮がされている。剥いだ後のウルシの木をそのまま建築に使っているところが面白い。ウルシにかぶれないように適度にウルシと人との距離を保ち工夫もされている。日本の伝統文化の再発見に繋がる施設である。