2025年度グッドデザイン・ニューホープ賞 入選GOOD DESIGN NEW HOPE AWARD 2025
Honorable Mention

仕組みのデザイン
25NHA040016
Capture Session
小林 幹太(東京藝術大学大学院映像研究科メディア映像専攻)
Capture Sessionは、スマートフォンの内側のカメラと外側のカメラを同時に起動し、リアルタイムに合成するカメラアプリケーションである。技術的に可能でありながら一般的に使われてこなかった構造をあえて採用することで、新たな撮影体験を生み出す。このアプリケーションに映るのは、私たちを取り巻く眼差しのデザインである。
誰もが持つスマートフォンでの操作を通じて、「撮る」「撮られる」の関係性を揺さぶる視点を提供するというユニークな提案。インカメラとアウトカメラを同時起動し撮影画像を重ね合わせることは技術的にはこれまでも実装可能だったが、あえて合成し提供することで、普段見過ごしていたものや、自身と他者との関係性に気づき直すきっかけを提供するという着想、そして技術的な面でも試行を重ねてプロトタイピングし実装している点も評価した。何かを記録することが目的とならない、新たな撮影体験の提供というチャレンジとして、実装に向けての活躍を期待したい。