2026年度グッドデザイン・ニューホープ賞 入選GOOD DESIGN NEW HOPE AWARD 2026
Honorable Mention

Category
物のデザイン
受賞番号
26NHA010025
Title
うみをつくる道具
受賞者
附柴 元亮(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科メディアデザイン専攻)
作品の概要
《うみをつくる道具》は、空間に海の気配をもたらす装置である。モーターで傾く皿の上を鉄ビーズが移動し、その衝突音が波音となる。皿の突起と機構内の遊びが寄せては引くような不規則さを生み、録音や映像に頼ることなく、機構と素材だけで海をつくる。自然から遠ざかる都市と人々に向けた、新しい海との接点をデザインした。
審査委員による評価
機械装置の見た目と、その装置が生み出す波音には、初見ではギャップがあるため、視覚と聴覚の認知に大きなズレが生じる。だが、作品を時間をかけて眺めていると、一つひとつの波音を構成する要素の関係性が見えてくる。ボート状に先端が窄まった皿の形状も、接合部のあそびも、皿の突起も、鉄ビーズの数も、すべてに意味があり、それらの条件が組み合わさることで、ようやく波の音を奏でられていることに気づく。幾度となく検証を重ねる中で「波らしさ」を問い、制作の過程で得た気づきから糸口を見つけていった、その創作の実直さも高く評価すべき点である。