2025年度グッドデザイン・ニューホープ賞 入選GOOD DESIGN NEW HOPE AWARD 2025
Honorable Mention

物のデザイン
25NHA010027
The Uplift of Climbing 登る気持ちよさを身近に、気軽に、
膳場 悠人(多摩美術大学美術学部生産デザイン学科プロダクトデザイン専攻)
都市でも登山のような達成感や爽快さ、木々に包まれた心地よい解放感を体験できないか。登山と木登りの「プロセス」と「感情」に着目し、身近な木に登ることでそれを再現。大人が安全に楽しめる蔦のように木に絡むロープを制作。自然に触れ、身体を使う体験が童心を呼び起こし、心身を整える。都市で気軽に非日常的な自然体験の場を提案する。
「木にのぼって遊ぶ」というプリミティブな体験が薄れつつある現代社会への問いとして、可能性を感じさせる作品である。「登ってもいい木はどこ?」「木登りは危ない」といった声に表れるように、木登りや自然の中での当たり前の遊びが、いつの間にか私たちの日常から遠ざかっている。本作品では、木に登ることへの気づきを促すきっかけとして、ロープを用いた優れた装置を提案している。こうした自然との触れ合いや自由な遊びを受け入れる発想が広がることで、遊びの世界がより豊かに広がっていくきっかけとなる提案だと感じられた。