2025年度グッドデザイン・ニューホープ賞 入選GOOD DESIGN NEW HOPE AWARD 2025
Honorable Mention

場のデザイン
25NHA020013
創作の共働体 ー「減築」と「挿入」による「仲間まわし」の可視化と再構築ー
阿部 凌平(早稲田大学大学院創造理工学研究科建築学専攻)
山口 篤(早稲田大学大学院創造理工学研究科建築学専攻)
ものづくりの街・大田区に根付く町工場同士の協働〈仲間まわし〉を、地域に開き再構築する減築・新築計画である。減築によって作業場を街へ可視化し、建物間に共有空間を挿入することで、職と住、工場と市民を緩やかにつなぐ。ピロティや路地に染み出す作業風景は、人と技術が交差するコモンズを形成し、街の記憶と固有の技術を未来へ継承する。
町工場に伝わる仲間まわしという物作りの手法を減築、増築によって可視化しようという試みが良い。1階を積極的に減築することで、今まで比較的閉じた町並みが、外部に開いたものになっている。1階の連続したピロティを歩くと、工場でのものづくりの様子が見えるのは、魅力的だ。外部の人にとっても興味深いだけでなく、地域の人の繋がりを再構築し、新たなものづくりにも繋がるであろう。共有バルコニーで上階が繋がっていくのも良い。