2025年度グッドデザイン・ニューホープ賞 入選GOOD DESIGN NEW HOPE AWARD 2025
Honorable Mention

場のデザイン
25NHA020014
呼吸するとぐろ -トンレサップ湖・漁業拠点-
吉田 和馬(早稲田大学大学院創造理工学研究科建築学専攻)
永井 銀河(早稲田大学大学院創造理工学研究科建築学専攻)
松村 拓宙(早稲田大学大学院創造理工学研究科建築学専攻)
カンボジア・トンレサップ湖は乾季と雨季で7mもの水位差が生じ、漁民の生活に大きな影響を与える。本計画は、水位変化や環境問題に対応する「とぐろ型漁業拠点」を提案した。建築が季節ごとに形態を変え、コミュニティ形成・外部交流・集中漁業といった活動を支えることで、人と自然の関係を再構築することを目的としている。
水位の高い雨季に集落が腕を伸ばしその合間で積極的な魚の養殖が営まれる。乾季には社を中心頂部に据え密集した螺旋状の矩形集落が形成され集落は一つの家のようになる。あたかも太古からトンレサップの湖上に営まれてきたかの如き地域固有の自然現象に従う住まい方、長い呼吸をしているかの如き生物的様相を見せる集落。これらの提案は現地での滞在体験から生まれた動物的な感性による発想であろう。