2025年度グッドデザイン・ニューホープ賞 優秀賞GOOD DESIGN NEW HOPE AWARD 2025
Excellent Award

仕組みのデザイン
25NHA040002
天体音測会
佐野 風史(慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科政策・メディア専攻)
藤本 未来(東京科学大学大学院環境・社会理工学院融合理工学系)
光害により星の見えない都市部で星を音で聴く取組「天体音測会」は、参加者の宇宙への意識を変える仕組みのデザインです。可聴化に関する科学的知見と、認知や感性を融合した設計が、見えない星の存在と星の特徴を体験的に伝えます。さらに、参加者が自らが星の音を探す能動的な動作により、天体観測文化を提案します。
都市部で星が見えないという原体験から着想し、星を視覚ではなく聴覚で観るという発想へと辿り着いた先で、データの可聴化技術の習得からプロトタイピングを重ねたプロダクト化、検証を重ねた先でのサービスデザイン、社会に届ける体験価値のデザインまで、全てのプロセスが丁寧で力強い。都市部の環境要因で星が見えない時の体験提供はもちろんのこと、視覚障害を持つ方の天体音測体験や、教育ツールとしての展開など、様々な領域への広がりを感じるプロダクト。今後の社会実装・広い展開を期待したい。